写真撮影サービス

★20年ほど前の何気ない一場面がずっと記憶に残っています。
それは、いかりや長介さんがお亡くなりになった時のこと。
当時はまだ、TV報道でも芸能人の方のご葬儀の様子などが放送されており、その日もワイドショーではご葬儀の様子が伝えられておりました。
たまたま、それを見ていた父がボソッと「しぶいなあ...」とつぶやきました。
みると、そこには祭壇に飾られたご遺影が映っておりました。
渋いお姿がそこにはありました。確か楽器か何かを持たれており、
ザ･ドリフターズのお笑いのイメージとはまた違った、ミュージシャンのお顔だったように記憶しています。
その時、「ああ、遺影って大事だなあ」と深く感じたのだと思います。

★数年前、母が他界しました。
癌を患い、母自身、先が長くないことを分かっておりました。
病気が分かってから、抗がん剤治療をする前に遺影として写真を撮りました。
私がカットして、「どの服にしよう...」なんて言いながら。

死後、しばらくして「なんかさみしそうやろ」と父が言いました。
「病気が分かってから撮ったからな」
「そう？」そんな風に会話を終えましたが、そう言われると、「ああ、この時の母の心中は」と考えざるをえません。

★訪問理美容をはじめてから、ずっと思っていたことがあります。
「今度、デイサービスで誕生会をしてもらうの。だからね」
と、カットをご依頼いただく事が度々ありました。
その後、お伺いしたときには色紙に花束を持ったお姿がありました。
数年分の色紙を並べていらっしゃる方もおられました。
そういったお写真を見るたび、いいなと思いつつ、美容師としては、もうちょっと欲が出て、
このキレイにした瞬間を写真に残したいなあ…。そう思うようになりました。
今キレイにしても、一晩寝てしまうとどうしても寝癖とか出てしまうよね。
洗髪してない髪だと限界もあるし。
撮影というサービスを形に出来ないか？